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Higuchi Y et al. Appl Environ Microbiol(政井・上村)

2018.01.31

Bacterial catabolism of β-hydroxypropiovanillone and β-hydroxypropiosyringone produced in the reductive cleavage of arylglycerol-β-aryl ether in lignin
Yudai Higuchi, Shogo Aoki, Hiroki Takenami, Naofumi Kamimura, Kenji Takahashi, Shojiro Hishiyama, Christopher S. Lancefield, O. Stephen Ojo, Yoshihiro Katayama, Nicholas J. Westwood and Eiji Masai
Appl Environ Microbiol., 2018, epub online
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29374031
doi: 10.1128/AEM.02670-17

 

本論文は、樹木の主要成分の一つであるリグニンの有効利用を促進する技術に関する基盤研究について報告したものです。

リグニンは地球上で最も豊富な芳香族化合物ですが、未利用資源として位置づけられています。その有効利用方法の開発は循環型社会の形成に大きく貢献するものであり、政井・上村グループではその実現に向けて研究を進めています。リグニンはランダムな構造をとる芳香族高分子ですが、個々の芳香族は主にβアリールエーテル結合で連結されており、この結合の開裂がリグニン分解ならびにリグニン有効利用の鍵となっています。

政井・上村グループが解析している、リグニン由来芳香族のモデル分解菌であるSphingobium sp. SYK-6株は、多様な酵素システムによりβアリールエーテル結合を開裂し、G型リグニン成分はβ-hydroxypropiovanilloneに、S型リグニン成分はβ-hydroxypropiosyringoneに変換し、これら化合物を最終的に完全分解しエネルギー源・増殖源として利用します。

本論文は、博士課程学生の樋口君が主体となって取り組んだ研究内容であり、β-hydroxypropiovanilloneとβ-hydroxypropiosyringoneの分解経路とそこに関わる酵素遺伝子について世界で初めて明らかにしたことを報告しました。本研究は、リグニン由来化合物の合成について、英国St Andrews大学のNicholas J. Westwood教授と森林総合研究所の協力を得て実施しました。