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政井教授がGordon Research Conference招待講演

2018.08.24

 Gordon Research Conferenceは、生物学、化学、物理、工学といった多様な分野について最先端の研究紹介と議論を行う歴史と権威がある国際会議です。サイエンスの進歩を目的としており、科学者のグローバルネットワークを結集し、未公開の最新研究情報をもちよって将来の方向性について議論します。
https://www.grc.org/

 2018年8月に、リグニンの有効利用をテーマとしたGordon Research Conferenceがアメリカ・マサチューセッツ州のStonehill Collegeにて初開催されました。リグニンは植物の主要成分のひとつであり、地球上で最も豊富に存在する芳香族化合物です。その莫大な存在量・再生産量ゆえに再生可能資源として大きく注目されていますが、未だ効果的な利用方法が開発されておりません。今回のGordon Research Conference Ligninでは、リグニンの有効利用が地球規模課題である循環型社会形成の鍵として着目され、「リグニンが利用しやすい樹木の開発」「樹木リグニンから低分子芳香族化合物の化学的生産方法の開発」「微生物代謝を利用した低分子芳香族化合物からのポリマー原料化合物の生産方法の開発」の3つのメインテーマについて最新研究動向が報告・議論されました。

 Gordon Research Conference Ligninには、生物機能工学専攻・政井英司教授が「微生物代謝を利用した低分子芳香族化合物からのポリマー原料化合物の生産方法の開発」に関する講演者として招待されました。政井教授は、リグニン由来芳香族化合物の微生物分解を専門としており、微生物の分解能力を利用したリグニンの有効利用法の開発に取り組んでいます。本会議では微生物の代謝能力を利用したリグニン由来低分子芳香族からの有用物質生産に欠かせない、低分子芳香族化合物の微生物細胞内への取り込みシステムについて講演しました。また、本会議には政井教授にくわえて上村 直史助教と微生物代謝工学研究室・博士課程2年 藤田 雅也君が参加し、それぞれ「植物のリグニン生合成経路の改変によるリグニン分解性向上方法の開発」と「グラム陰性スフィンゴビウム属細菌における低分子芳香族化合物の新規外膜輸送システム」について研究発表しました。

 

Gordon Research Conference Lignin 1st 開催概要

期日:平成30年8月9日

会場:US Boston Stonehill College

テーマ:Towards Viable Solutions for Lignin Valorization

議長:Gregg T. Beckham and Lindsay D. Eltis

URL:https://www.grc.org/lignin-conference/2018/

政井教授の講演タイトル:The Initial Stage of the Bacterial Catabolism of Lignin-Derived Aromatics: How Do Bacterial Cells Take up These Aromatics?

 

政井教授の講演スライド1

講演スライド

 

バクテリアのリグニン由来芳香族代謝について酵素、遺伝子発現制御、基質の細胞内取り込みシステムを解明し、細胞内取り込みを強化することによりリグニン由来芳香族での生育とポリマー原料生産速度の向上に成功した

講演スライド2:バクテリアにおけるビフェニル型の芳香族二量体化合物・DDVAの代謝システムを明らかにし、2つの芳香環が異なる経路により代謝される点に着目し、片方を生育基質として利用させつつ、もう片方からポリマー原料化合物・PDCを生産するバクテリアを創出した。さらに、DDVAの細胞内取り込みシステムを解明し、細胞内取り込みを強化することにより、生育能力とポリマー原料生産速度の向上に成功した。

関連リンク

・Lignin Gordon Research Conference
・政井研究室