教育

実務訓練感想

吉田 卓司 [フクダ電子株式会社]

私はフクダ電子株式会社で実務訓練を行いました。フクダ電子は医療機器の専門メーカーであり、配属先では生体情報モニタの開発に携わりました。そこでは、基本的な計測装置の使用方法、電子回路や医用工学に関する様々な知識が要求されました。憧れの医療に関わる仕事をする中で、多くの知識の必要性を認識し、自分の知識不足に愕然としました。実務訓練は、自分の現状を知る、そして、今後どうすればよいか考える重要な機会となりました。また、学生生活の自由な時間の多さを知ることもできました。友達や家族、恋人との繋がりの中での日常の素晴らしさも再認識しました。大学院生活では悔いのないよう全力で勉強やその他の活動をしたいと考えるようになりました。

小荒 ユキ子[越後製菓株式会社]

私は、小千谷市にある越後製菓株式会社で4ヶ月間実務訓練を行いました。越後製菓では、米菓や米飯など様々な商品を作っており、私は商品化に向けた食材の基礎研究の一端を任され、また工場作業も経験し多くのことを学びました。第一に「報告・連絡・相談(ほうれんそう)」の大切さです。例えば多くの人が別々の研究をしているので実験経過を報告することや実験装置などのダブルブッキングを防止するために連絡を取り合うことは必須ですし、また他の人に相談し意見を取り入れることが良い結果につながることも身をもって実感しました。第二に「観察力」です。どんな小さいことでもメモしておくと後々大きな発見につながることがあります。小さなことの積み重ねが成功を生むと思います。その他にも食品会社での、徹底した食の安全性へのこだわりや商品開発の重要性を学ぶことができ、普段何気なく手にしている食品に対する考え方が変わりました。短い期間でしたが、吸収できることはたくさんあり、充実した4ヶ月間でした。

東覚 [独立行政法人理化学研究所 基幹研究所]

私は理化学研究所で実務訓練を行いました。理研での実務訓練は規模の大きさの違いはありましたが基本的には大学の研究室の雰囲気に近い印象を受けました。理研では一流の研究者のサポートのもとでの充実した研究はもちろんのこと、個性豊かな様々な研究者とのお酒を交えた熱いディスカッションや定期的に開催されるセミナーへの参加による異分野の情報、最新の情報、はたまたシニアの研究者の伝説のような話までとても刺激的かつ、これからの研究生活に非常にプラスとなるものでした。また学生からシニアの研究者と、ひよっこから大ベテランまで勢ぞろいしているので、研究をはじめとして様々なことにおいて私のような若い学生にとって非常に良い環境だと感じました。最後に理化学研究所でお世話になった方々とこのような機会を与えて下さった研究室の先生に感謝の意を表して、これからの研究生活の充実を図っていきたいと思います。

渡部 秀章 [独立行政法人物質・材料研究機構]

実務訓練においては自分が勉強不足だったと痛感させられる体験ばかりだった。自分の研究室では毎週日本後でゼミを行っていたが、自分が実務訓練に行ったNIMSでは全員が英語で発表を行い、質問も英語であった。自分は大学の講義ではそこそこの成績であったが、そんなレベルではこの先通用しないと思い知らされた。また、実験におけるコツや、事故を減らすちょっとした心がけ等多くのことを教わった。さらに、研究室の人たちも良い人ばかりで気さくに話しかけてくれた。今までの自分はあまり社交的と言えなかったので、社会に出てから自分もこのように社交的になるべきだと感じた。しかし、それだけに英語能力の低さで留学生とあまり話せなかったのは残念である。今回の実務訓練では実際の研究所で求められる能力の高さを思い知らされ、今までの自分は甘かったと考えざるをえなかった。このように大きな意識改革をすることができ、多くのことを学べた実務訓練はとても有意義なものだったと思う。

中野 悟司 [Bioprocessing Technology Institute]

私はシンガポールのBioprocessing Technology Institute(BTI)で約5ヶ月間の実務訓練を行いました。BTIでは、再生医療に着目した薬品開発の研究をしており、私は未分化な幹細胞を認識し除去する抗体を作製する研究を行ないました。シンガポールはアジア圏だけでなく、様々な国の人々が住んでいます。私が実務訓練を行なっていたBTIの研究グループも、シンガポールだけでなく、ドイツやオーストラリア、インド、中国の人々がいて、シンガポール以外の国の文化や事情も知ることが出来ました。当初は英語に苦労しましたが、周りの人々がとても優しく、外国語に対する抵抗も時が経つにつれて無くなっていったのを覚えています。実務訓練が終わってから1年以上経過した今でも、実務訓練中に仲良くなったBTIの人々とは、インターネットを通じて連絡し合っています。終わってみると、短く感じる実務訓練ですが、得られたものは計り知れないです。何よりも海外の友達がたくさん出来たことが私にとっては幸せです。

菊地 哲平 [アメリカ ピッツバーグ大学]

約5か月間、私はアメリカのピッツバーグ大学に所属してきました。アメリカで私が得たものを一言で表すとするならば「変化の重要性」です。滞在している間、私は多くのアジア人留学生と出会いました。しかしその中で日本人留学生との出会いはたった数人。これは近年日本人学生の海外離れ問題の深刻化を顕著に表しています。確かに日本国内から出なければ大した不自由もなく快適な生活を過ごす事は可能ですし、それなりに「安定」した人生が待っていると思います。しかし今の日本に必要なものは「変化を起こす事」だと私は感じました。そしてこの海外実務訓練はそれを養うためにはうってつけの機会でした。「安定」している今だからこそ、これから日本をより良く変えていく世代だからこそ、我々は今までの自分が通用しない世界に出るべきだと痛感しました。海外実務で得たこの意識の変化は、今後の大学院生としての在り方、さらには人生そのものに大きな影響を与えるものだと確信しています。