開催に当たり   

 ゲノムの1%にもおよぶ糖鎖関連遺伝子の多くがクローニングされ、個々の遺伝子を操作したマウスの示す表現型から、タンパク質や脂質に結合した糖鎖のもつ働 きが明らかになりつつある。一方でこうした糖鎖が正しく作られないと、病気の原因となることも明らかとなり、多数の遺伝子が同定されてきた。

  糖鎖の作られるメカニズムが明らかになる一方、同一のタンパク質に結合する糖鎖の構造が異なったり(ミクロ不均一性)、作られる臓器や動物種が異なると糖 鎖の構造も異なり(臓器特異性、種特異性)、糖鎖に固有の性質としてその意義が注目されている。しかし、こうした糖鎖の構造多様性が生じるメカニズムやその生物学的意義はまだまだ不明であり、ユニークなアプローチが必要である。本年会では「糖鎖機能解明のブレークスルーを求めて」を掲げ、糖鎖の作られるメ カニズムに酵素以外の新たなタンパク質が関与する知見や、糖鎖バイオプローブの合成とそれを用いた生物機能の解明、さらに糖鎖研究を触発するような技術開 発に関する研究を討論することで、ブレークスルーを求めてみたい。

写真

 上記の目的をもって、第30回日本糖質学会年会を新潟県長岡市で平成23711日(月)から13日 (水)にかけて開催することになりました。長岡は幕末の戊辰戦争に破れ城下は火の海となり、多くの武士が困窮に喘ぎました。これを見かねた近隣の三根山藩 は長岡藩へ米俵百俵を送りましたが、時の大参事・小林虎三郎は「町の復興には人が大事、人つくりには学校が必要」と、英知をもってこの米百俵を我が母校の 長岡高校の前身である国漢学校の設立に用立てました。「米百俵の精神」を保つ長岡で本年会を開催できることは、望外の喜びであります。是非、参加者の皆様 からは、長岡を見て、長岡を知り、長岡を味わっていただければと思います。

第30回年会世話人代表 古川 清