研究内容

概要

多くの生物でゲノムの解読が進み,生物科学はポストゲノム=蛋白質の時代に入った。精妙な分子機械システムである生物の動作原理を解明し,その知識を医学・工学などに応用するには,生物機能の大半を担っている蛋白質の設計指針と機能発現の分子メカニズムを解明する必要がある。そのためには,人体の60%を占め,蛋白質の構造形成と機能の発現に決定的な役割を果たす水と,蛋白質の相互作用について明らかにする必要がある。我々は,分子動力学 (MD) やデータベース解析などの計算科学的解析と,分光学的および熱力学的測定法による実験的解析の両面から,以下の研究を進めている。

(1) 蛋白質の物性や機能の発現機構の解明

蛋白質の自発的な立体構造形成能、特異的な分子認識能、優れた触媒能の秘密を分子レベルで明らかにするため、等温滴定熱量測定 (ITC),高精度示差走査熱量測定 (DSC),圧力摂動熱量測定 (PPC) などの各種精密熱測定、円二色性や吸収・蛍光スペクトルなどの分光測定、質量分析などの各種の物理化学的測定法を用いています。それぞれの分野でのプロをめざします。

(例1) 好熱菌由来低温ショック蛋白質と一本鎖核酸との相互作用機構の解明

  • 好熱菌由来低温ショック蛋白質と一本鎖DNA複合体の構造をX線結晶回折により明らかにしました(原子力研究所との共同研究)。
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(例2) 蛋白質へのジスルフィド結合導入による立体構造安定化機構の解明

(例3) 酵素反応を用いたATP/ADP変換反応の熱測定

(例4) 酵素・阻害剤の相互作用の熱力学的評価方法の開発

(例5) 洗剤用酵素の速度論的安定性評価

(例6) シトクロム c のモルテングロビュール (MG) 状態の立体構造と安定性

(2) 高機能蛋白質の分子設計と用途開発

立体構造に基づいて、より高機能な蛋白質を設計し、酵母や大腸菌などにより調製し機能評価をします。自分で設計した蛋白質を自分で合成して評価するまでを一貫して行えます。

(例7) ジスルフィド結合導入による超高安定化蛋白質の創製

(例8) 高安定化低温ショック蛋白質の工業的利用

(例9) 溶媒組成設計による産業用酵素の安定化


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Last-modified: 2015-04-06 (月) 10:21:28 (1020d)