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    まるで生きているように動く分子・細胞の中の物流システム

    空気の流れに逆らった動きなど、ちょっと変わった動きをする物体を、私たちは、「まるで生きているようだ」と表現します。

    実際、生きている物は必ず動いています。おおきな動物が動くことは言うまでもないですが、細胞内の分子についても、正しい場所で正しい時間に機能するためには、「動く」必要があります。

    生物の構成要素である細胞は数十ナノリットル程度の体積の中で数百にも及ぶ化学反応を秩序だって行なっています。

    こんなことは、私たちが行っている「A液とB液を混合する」ような化学反応操作では到底実現できません。

    これを実現するのが「モーター蛋白質」です。このモーター蛋白質のおかげで、反応に必要な物質分子を必要とされる場所に運んで、必要な時間に反応させることができるようになります。

    この機能なしに生命は維持できません。「動くこと」の研究は「生命現象の解明」における中心的課題であります。


    生体運動研究室では、生体内の「動く」メカニズムを分子レベル解明することで、今まで分かっていなかった動きの原理を見出すそうとしています。そして、その機能の工学的応用を実現していきます。

    この分野の研究には、強い独創性と柔軟な発想と行動力が必要です。「今まで何を学んだか」よりも「これから何を知っていくか」が重要です。

    研究内容

    1: 生体運動の分子機構解明

    細胞内にある膨大な数の分子が協調して正確に機能するためには、分子どうしのコミュニケーションが必須です。

    本研究室では運動性タンパク質、とくにアクチン・ミオシンを用いて、複数のタンパク質分子がコミュニケーションをとるメカニズムの解明を目指しています。

    アクチン繊維はもとより、繊維を作るアクチン1個1個の動きを蛍光顕微鏡で直接観察できます。

    分子同士がどのように協調しているかを、「分子ゆらぎ解析」の手法と「蛍光共鳴エネルギー移動」法を用いて研究を進めています。

    2: モータータンパク質によるセンサデバイスの開発

    生体は極めて少量の物質でコントロールされていて、僅かな変化が重大な病気につながります。

    本研究室は、僅かな生体物質をモーター蛋白質で濃縮する技術を開発しました。

    現在は、がん腫瘍マーカーをターゲットとし、事業化段階を目指しています。