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☆糸状菌(カビ)


 私たちの社会経済活動を支えるエネルギー基盤は石油、石炭をはじめとする化石資源です。しかし、化石資源の燃焼により生じたCO2の増加が地球温暖化とそれに伴う環境破壊の主原因と見なされており、来るべき環境調和型社会を構築するうえで障害になると考えられています。また、現存する化石資源は有限であり、いずれ枯渇することが危惧されています。これらを考慮すると、化石資源に替わる新たなエネルギー資源の開発が急務であります。

 セルロース・ヘミセルロースは、植物細胞壁の構成成分として、地球上で最も大量に存在するバイオマスです。このセルロース系バイオマスは直接燃焼もしくは化学的、生物学的に変換することによってエネルギーとして利用することができます。セルロース系バイオマスは、その利用の過程で生じたCO2が光合成により再び植物に固定されるため、環境に負荷を与えない再生可能なエネルギー源であると考えられています。特に、セルロース系バイオマスを加水分解することで得られる糖は、食料資源、化学工業用原料として利用できるだけでなく、発酵させることによりエタノールが得ることができます。

 エタノール(バイオエタノール)は液体燃料として利用可能であることから、化石資源に替わるエネルギー源としてセルロース系バイオマスの利用に関して世界各国で研究・開発が進められています。

 私たちの研究室では、糸状菌(カビ)の一種であるトリコデルマ・リーセイがセルラーゼという酵素を大量に生産してセルロースを糖まで分解する能力を持っていることに着目しました。このカビの生きざま「なぜセルロースを分解することを生業としているのか?」を理解して、応用することが私たちの目的です。

 

基礎研究

応用研究

セルラーゼ分解能力を強化したトリコデルマ・リーセイ株の造成

 

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