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生体内において遺伝子の発現制御は主に転写の段階(DNAからmRNAへの書き換え行程)で行われています。この制御の中心舞台となっているのが、遺伝子の上流に存在する発現制御領域(プロモーター領域)であり、転写の活性化もしくは抑制などの機能を持った様々な転写制御タンパク質(転写調節因子)がここに結合することで転写の制御が行われています。
これまでにトリコデルマ・リーセイにおいてセルラーゼおよびキシラナーゼの生産に関与する複数の転写調節因子(Xyr1, ACEI, ACEII, Hap2/3/5 複合体, CREI)が発見され、プロモーター領域内におけるその結合配列(転写のオン/オフを調節するスイッチ)が決定されてきました。しかし、この遺伝子発現制御機構にはまだまだ不明な点が数多く存在しており、その詳細な調節メカニズムは明らかとなっていません。
私たちはセルラーゼ・キシラナーゼ生産制御メカニズムの解明を目指し、様々な実験手法(フットプリント解析、ゲルシフト解析、レポーター解析、クロマチン免疫沈降法など)を駆使しながら、セルラーゼ・キシラナーゼ生産に関係している制御因子の同定や未知の転写制御配列の決定、調節因子間相互作用の解明、新規な転写制御タンパク質の取得などを行っています。また得られた知見を利用し、必要なときに、必要なだけ、必要な酵素タンパク質を生産するプロモーター領域の開発を試みています。
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