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DAPBIIの立体構造解析 -豆腐工場から宇宙へ

きぼう 国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟(JEM)タンパク質結晶生成装置(PCRF)を利用した高品質タンパク質結晶生成実験の公募P. mexicana WO24(豆腐製造廃液から単離されたバクテリア)のペプチド分解酵素であるDAP BIIの構造解析が採択され、「きぼう」の搭載候補となりました。DAP BIIは、生理機能やペプチド分解酵素の分類上、大変興味深い酵素であり、岩手医科大学 野中研究室・昭和大学 田中信忠研究室と共同研究で結晶立体構造解析を進めていました。

 DAPBIIはペプチド分解酵素の分類であるClan PAにおいて、唯一の「タイプIV」である小分類Family S46に属します (本研究室での分類、下図)。「タイプI-III」はendo型切断様式 (ペプチド鎖の中側を切断) を示し図・「ClanPAの基本構造」のような構造を含みます。しかし「タイプIV」だけはexo型切断様式 (ペプチド鎖を端から切断) を示し、構造は不明です。DAPBIIの構造解析により、切断様式や新規な構造や関する知見が得られると考えられます。  
  またDAPBIIの構造解析の成果は、P. mexicanaの新規オリゴペプチド分解システムの解明や、ジペプチドを生産するための産業利用などにも役立つことが期待されます。

 

Clan PA

 

 これまでに、地上実験で得られているDAPB IIの結晶から得られたデータでは立体構造解析が困難だったのですが、「きぼう」での微小重力環境下で結晶化を行うことにより、 質の高い結晶が得られ、DAP BIIの立体構造解析に成功する可能性があります。

DAP BIIの結晶(ハンギングドロップ蒸気拡散法)
結晶

 

打ち上げの様子と実験の動画

 Youtube・jaxachannelにて、プログレス補給船(43P)の打ち上げと高品質タンパク質結晶生成実験の模様が公開されています。

・第五回実験 SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第156号

・第四回実験 SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第137号

共同研究者 一覧

岩手医科大学 薬学部 助教 阪本泰光先生 (研究代表者)
岩手医科大学 薬学部 教授 野中孝昌先生
昭和大学 薬学部 准教授 田中信忠先生
宇宙航空研究開発機構(JAXA) 主任開発員 佐藤勝様
宇宙航空研究開発機構(JAXA) 主任開発員 白川正輝様
宇宙航空研究開発機構(JAXA) 開発員 佐藤智様
宇宙航空研究開発機構(JAXA) 開発員 正木美佳様
日本宇宙フォーラム(JSF)
 主任研究員 市川智洋様 
丸和栄養食品 代表取締役社長 伊中浩治様
コンフォーカルサイエンス 代表取締役 田仲広明様

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