研究室

分子生理工学研究室

我々の研究の中心にあるのは、イオンチャネルです。イオンチャネルは、電気的または化学的な勾配にしたがって、選択的にイオンの膜通過を決定する分子です。イオンチャンネルは、筋収縮、血圧調節、神経伝達物質やホルモンの分泌のような様々な生体に必須の機能を調節する役割を果たしています。我々は、イオンチャネルの生理学的役割と人の病気における変化を調べ、有効は治療標的の同定そして治療法の開発を目指しています。研究には、分子生物学、生化学、電気生理学等の技術が使用されています。

スタッフ

教授 滝本浩一

研究プロジェクト

1.がん細胞増殖とカリウムチャネル
通常、興奮性細胞(ニューロンや心筋細胞)にのみ存在している電位依存性カリウムチャネルが、ある種のがん細胞で発現していることが知られています。我々の研究室では、これらのチャネルのがん細胞における機能を解明し、がん治療標的としての可能性を究明することを目的に研究をしています。
特に、がん特異的に発現する電位依存性カリウムチャネルが限定分解を受けることを見つけ、分解の機構や分解により生じる分子の機能を明らかにすることを現在の目的としています。
2.心臓内部位特異的カリウム遺伝子発現
心臓が協調して拍動するためには、心臓内各部位に正しい量のイオンチャネルが必要です。特に、ある種の電位依存性カリウムチャネルの発現量のちがいが、心臓内部位差を生んでいます。また、この機構の異常は不整脈の原因となります。我々は、この電位依存性カリウムチャネル遺伝子発現機構を研究しています。
3.足場タンパク質ENHの役割
細胞内の多くの分子は、多くの足場タンパク質によって特定の部位に配置されています。足場タンパク質は、複数の分子を一か所に集合させ、集合した分子間の相互作用を速やかに行わせる役割もあります。
本研究室では、1種の足場タンパク質のスプライシング産物が、心肥大(病的な心臓組織および心筋細胞の拡大)を制御することを見つけました。現在は、この重要なスプライシング制御の機構およびすプライスング産物の機構を明らかにするために研究を行っています。
教授 滝本 浩一
教授 滝本 浩一

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分子生理光学研究室 図1分子生理光学研究室 図1分子生理光学研究室 図2分子生理光学研究室 図2