研究室

環境微生物工学研究室

環境中の微生物は様々な代謝能を駆使して厳しい生存競争をしており、その膨大な遺伝子資源の利用がもたらす無限の可能性に期待が高まっています。環境微生物工学研究室では、環境汚染の浄化や再生可能資源の利用をめざした分解菌の育種、環境にやさしい物質合成をめざした酵素系の改良を、三次元立体構造を含む酵素解析、ゲノム解析やDNAチップ解析およびバイオインフォマティクスを含む遺伝子解析を利用して進めています。特にPCB分解の研究では、分解酵素の立体構造解明において欧米との競争を制して世界をリードし、カナダのグループと共同でおこなった分解菌のゲノム解析で世界の注目を集める成果を上げています。

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スタッフ

教授 福田 雅夫
助教 笠井 大輔

研究プロジェクト

1.環境汚染物質の分解酵素系の解明と利用
環境汚染物質のポリ塩化ビフェニル(PCB、絶縁油)、DDT(殺虫剤)、トリクロロエチレン(有機溶媒)、アルカン(石油成分)について、分解菌の探索や分解菌の解析、分解酵素系の解明と改良などを進めている。特に日本学術振興会の支援を受けて実施しているPCBの分解酵素系においては、分解酵素の立体構造解明を産業技術研究所(お台場)と共同で実施し、欧米のグループとの競争を制して世界をリードする成果を上げている。また、分解細菌のゲノム解析(全遺伝子配列解明)をブリティシュコロンビア大学(カナダ)と実施し、世界最大の染色体を持つことや、重複して存在する分解酵素遺伝子が同時に誘導されて分解にかかわることを明らかにして世界の注目を集めた。さらにミシガン州立大学(米国)や静岡大学(静岡)と共同で分解菌の育種を実施して分解能の向上に成功している。DDTの分解酵素系については、農林水産省の委託を受けて生物資源研究所と共同で実施しており、酵素遺伝子を植物に導入して環境汚染物質分解植物を構築することをめざしている。トリクロロエチレンの分解菌については、経済産業省の委託を受けて微生物環境浄化事業に用いる新たな分解菌の開発と分解菌の安全性確認手法の改革をめざした研究を製品評価技術基盤機構と連携しておこなっており、多数の分解菌候補株を得ている。
2.有用化学物質の生産への分解酵素の利用
有用化学物質生産への応用が期待されるフタル酸やレゾルシン酸の分解酵素系の解析を、企業と共同して進めており、ユニークなフタル酸分解酵素誘導システムや脱炭酸酵素の解明を行っている。
3.天然ゴムポリマーの分解酵素系の解明と利用
学内の物質材料系や環境系のグループならびに小笠原研究室と一緒に進めているハノイ工科大学(ベトナム)との国際共同研究で、科学技術振興機構と国際協力機構の支援を受けて天然ゴムの用途拡大と天然ゴム製造廃棄物の有効活用をめざす研究を行っている。すでに取得した天然ゴム分解菌の分解酵素遺伝子の解明とゲノム解析を終え、ベトナムや日本で取得した新たな天然ゴム分解菌の解析に着手しつつある。
4.食品微生物の圧力制御
発酵食品中の微生物の活性を高静水圧で制御できるようにする高圧感受性酵母の開発と遺伝子解析を、農林水産省の委託を受けて企業と共同して進めている。すでに高圧感受性酵母の開発に成功しており、高圧感受性のメカニズム解明をめざしたゲノム解析を進めている。
教授 福田 雅夫
教授 福田 雅夫
助教 笠井 大輔
助教 笠井 大輔

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